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WAITINGROOM-ウエイティングルーム

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郵便局!?のように気軽に立ち寄れる現代アートの待合室

江戸川橋から徒歩3分。
神楽坂駅からもほど近い、民家や店舗が混在するエリアに、WAITINGROOMは静かに佇んでいる。
外観は全くギャラリーっぽくない、というか、郵便局でしょ?という感じ。
それでいて「ちょっと覗いてみようかな」という扉の軽さがあります。

それもそのはず、ここは本当に、45年間も郵便局だった場所。
今でも、ビルの前の赤いポストが目印になっています。

ここは、現代アートを“気合いを入れて見に行く場所”ではなく、
散歩の途中にふらっと寄れる、そんな空気のギャラリー。
でも、一歩ここに入れば、気合を入れて見に来る人も納得の世界観が待ってくれているのです。

❑交通アクセ

アクセスのよさがつくる「気軽に寄れる」体験

  • 有楽町線「江戸川橋駅」4番出口から徒歩3分
  • 東西線「神楽坂駅」から徒歩10分

このアクセスの良さも、「立ち寄りやすさ」を大きく後押ししています。
神楽坂の散策コースに組み込むのも良いし、江戸川橋周辺のカフェ巡りの際にふらっと寄るのもいいかも。

開廊は展覧会期間中のみですが、
だからこそ、街のリズムの中に“展示との偶然の出会い”が生まれる楽しさがあります。


ギャラリー訪問記録(2025.11.8)

Art Week Tokyo 2025のバスルート、Aコースで訪問してきました。

空間紹介

初めてでもスッと入れる空気感

アート初心者は、ギャラリーという場所に、緊張感を覚える人は多いかもしれません。
でもWAITINGROOMは、いい意味でその肩の力をそっと抜いてくれます。

外観のイメージと違って、一歩中に入れば、余白のあるシンプルな壁の空間。
そんなに広いギャラリーというわけではありませんが、「作品と急がずじっくり向き合う」という感覚を自然に味わえます。

名前のとおり“待合室”のように、作品との距離がほどよく保たれ、外からも中が見えていて、安心感もあり
初めて現代アートに触れる人でも、居心地がいいのです。

現代アートをもっと日常へ。WAITINGROOMの魅力

現代アートは難しい、敷居が高い、そんな固定観念を少しずつほどく場所。
WAITINGROOMは「アートを日常に戻す」ための、都市の小さな呼吸穴のようです。

  • 現代アート初心者
  • 気軽にギャラリー巡りをしたい人
  • 神楽坂散歩の途中に何か新しい景色を見たい人

そんな人にこそ、ぜひ足を運んでみて欲しいギャラリーです。

作品と向き合うための“静かな余白”は、いつ訪れてもそこにある…
待合室の名前を持ちながら、訪れる人の心のほうが解放されていく…
そんな優しい現代アート空間です。


展示作品紹介川内理香子『Humans and Tigers』

会期:2025年11月5日(水)〜12月21日(日) waitingroom.jp

(作品の詳細はWAITINGROOMさんの公式サイトをご覧ください。)
https://waitingroom.jp/exhibitions/humans-and-tigers/

WAITINGROOMでは、川内理香子さんによる個展「Humans and Tigers」が開催されていました。
本展では、南アメリカやアフリカの神話に登場する“虎”を手がかりに、人間と動物、自然と文化の関係性をテーマとした作品が展示されているとのこと。

作品は、油彩、ドローイング、針金、大理石、ネオン管など、多様な素材を用いて制作されており、
作家がこれまで大切にしてきた「線」を中心とした表現が、平面と立体の両方で展開されています。

“虎”は物語としてではなく、本能や文化の象徴として扱われていて、人間との境界や結びつきを見つめ直す視点が、ギャラリーと一体として表現されていて、一つのテーマなのに、バラエティに富んだ多様な作品が展示されいていました。

それでいて、この展示の見せ方とも相まって、多様な作品が全体でひとつのインスタレーションのように迫ってきます。

今回は、事務スペースや倉庫スペースまで特別に展示エリアとして使われていました。
このエリアはピンクの壁。

ギャラリーと言うと、真っ白い壁が定番だが、ここは、赤い壁。

作品が白と赤だけなので、作品が壁と一体化してとても映えます。

飾ろうとおもえば、こちらの壁に飾れたであろう余白がたっぷりあるのですが、そうせずに、事務室、倉庫スペースの壁の方へ作品を展示したのは、作品のイメージと同じく、体の奥へ入っていくイメージとのことで、壁の色も、ホワイトから、ピンク、レッドへと移り変わっていきます。

展示室全体が、作品と一体となったインスタレーションのように構成されており、外観から感じたイメージよりも、奥行きのある空間と徐々に深いところへ誘われる時間を感じさせらる「現代アート」ならではの「体験」が味わえたと思います。

奥のピンクとレッドの壁に展示されている作品の大きさからいえば、全部こっちに持ってこれそうですが、そうしないことで、より深く、全ての作品が生きてきて、見る方も、強く印象に残った気がします。

こんなところに…こんな建物の中に…こんな現代アートが…

という驚きも楽しめるのも、こういうギャラリー巡りの面白さ。

「待合室に気軽に入った」つもりが、見終わって出ていくときには、「現代アートとじっくり向き合えた」という満足感があり、軽やかさとヘヴィーな気持ちの両方の揺らぎというギャップを楽しめる、とても味わい深いギャラリーでした。

元の建物が郵便局というのは、直島の「家」シリーズにも通ずるものがあり、直島まではちょっと遠くて気軽に行けない、と言う東京在住の方は、是非、一度訪ねてみてはいかがでしょうか。


❑ついでにご紹介~食事にもおススメのカフェ&ギャラリー

ちょうどお昼過ぎにここを出たら、すぐ近くにこんなお店もありました。
「suido cafe 水道ギャラリー」というお店で、カフェ&レンタルギャラリーになっているお店。

ルーロー飯を頂きましたが、とてもおいしいうえに、ランチメニューだからか、今どき珍しく990円と、すごくリーズナブルな料金でした。
来年もアートウィーク東京のAルートでWAITINGROOMさんがコースになるなら、ここでランチするのもおススメです。

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