デコパージュとは

デコパージュの基本

デコパージュ(Decoupage)は、紙や布の切り抜きを使って家具や小物に装飾を施す手芸技法です。
デコパージュはフランス語で「切り抜く」という意味の「découper」から由来しています。

一般的なデコパージュの制作工程は下記のようなものです。

【デコパージュの基本的な手順】
1. 材料の準備
デコパージュ用のペーパーや布、接着剤、ハサミ、ブラシ、ニス、装飾する対象(家具、小物など)を用意します。

2. デザインの選択
デザインやモチーフを選び、デコパージュ用のペーパーや布から切り抜きます。
選んだデザインは、装飾する対象に合うサイズや形にカットします。

3. 接着
切り抜いたデザインを対象物の表面に接着します。接着剤は通常、デコパージュ専用のものを使用し、ブラシで均一に塗布します。

4. 乾燥
接着剤が完全に乾くのを待ちます。乾燥の過程でしわや気泡が出ないように注意が必要です。

5. 仕上げのコーティング
乾燥後、表面を保護し、光沢を出すためにニスを塗ります。ニスは何度か重ね塗りすることが多く、塗るたびに乾燥させます。

デコパージュは、初心者から上級者まで楽しむことができるクラフトで、独自のデザインや創造性を表現するのに適しています。
家具のリメイクやギフト作り、日用品の装飾など、さまざまなアイテムに応用することが可能です。

デコパージュの歴史

デコパージュの歴史は非常に古く、数百年にわたる発展を経て現在の形に至っています。
その起源や進化については、概ね、以下のようなものであろうとされています。

【デコパージュの起源と発展】

1. 初期の起源(12〜13世紀)
デコパージュの技法は、12世紀から13世紀にかけて、東アジア、特に中国で始まったとされています。
中国では紙を切り抜いて装飾品として使う技法が広まりま、これがデコパージュの原型と考えられているようです。

2. イタリアでの発展(17世紀)
デコパージュがヨーロッパに広まったのは17世紀のイタリア、特にヴェネツィアが起点でした。
当時、東洋から輸入された漆工芸品が非常に人気となり、高価なため、安価な方法で模倣しようとする動きが生まれました。これにより、紙の切り抜きを使って漆器風の装飾を施す「アーティフィシャル・ラッカー」技法が開発されました。

3. フランスでの隆盛(18世紀)
18世紀になると、この技法がフランスに渡り「デコパージュ」と呼ばれるようになります。
ルイ15世やマリー・アントワネットといった王族や貴族の間で人気を博し、家具や室内装飾品に施されることが一般的になりました。
この時期に、デコパージュは芸術的な技術としても発展し、より精緻な作品が作られるようになりました。

4. イギリスとヨーロッパでの流行(19世紀)
19世紀にかけて、デコパージュはイギリスや他のヨーロッパ諸国でも大いに流行しました。
ヴィクトリア朝時代のイギリスでは、家庭内の手芸活動の一環として一般庶民の間にも広まりました。
特に、家庭でのインテリア装飾としての役割が大きかったようです。

5. 20世紀の復興と現代(20世紀〜現在)
20世紀になると、デコパージュはアートやクラフトとして再び注目を集めるようになります。
特に1960年代から70年代にかけて、アメリカでのクラフトブームにより、デコパージュがポピュラーな趣味として復活しました。
現代では、DIY文化やカスタマイズブームの中で、家具や小物、アクセサリーなど多くのアイテムにデコパージュが取り入れられています。

デコパージュは、技法自体がシンプルでありながら、工夫次第で非常に洗練された作品を作ることができるため、時代を超えて愛され続けています。

クラシックなスタイルからモダンなデザインまで、さまざまなアプローチが可能で、クリエイティブな表現方法として多くの人々に楽しまれています。

ポップ・アート・デコでは、ヴィンテージ・ラベルを複数枚用意して、日本の伝統的な「型染」の切り抜き技法を使って、丁寧に細かく各パーツを切り抜いて、これらを「蒔絵」の「塗り」の技法で光沢の出る塗料を塗り重ねて「立体的」に仕上げていきます。
切り抜いた紙だけを重ねて立体的にみせる一般的な立体画とは異なる独自の手法とのことです。