日常にアートを ― Kiyoにゃんとぷかちゃんが生まれた理由

日常生活にアートを取り入れるということ
Artstylicでは、美術館での特別な体験だけでなく、家庭やプレゼントの場面など、日々の暮らしの中にアートを溶け込ませることを大切にしています。
古民家カフェと雑貨のお店の「KIyo」さんのサイト制作をお手伝いした際に、編みぐるみの猫ちゃんが地元の子供たちに人気があると聞いて、これを何かもっと展開して使えないかな、と考えました。
そこで、Artstylicにプロデュースをお任せいただいて、「Kiyoにゃん」や「ぷかちゃん」といった無名のキャラクターを考えてグッズとして展開することにしました。
なぜ無名キャラを作ったのか
既存の有名キャラに頼らず、ゼロからキャラを育てることそのものが「アート思考」です。
そして作品に込めたメッセージを共有する試みでもあります。
たとえば、Kiyoにゃんは虹色の耳と二つの唇をもつ猫。
子どもからは「なんで耳が虹色なの?」「どうして口がふたつあるの?」と素朴な疑問が生まれ、そこから会話が広がります。
ただ“かわいい”にとどまらず、気づきを引き出す存在であることを大切にしています。
ポップアートとしての日常化
私が目指しているのは、キャラクターを「ポップアート」として展開していくこと。
手に取れるグッズを通じて、アートが自然に日常へ入り込み、子どもも大人も“アートマインド”を感じられる仕組みをつくっています。
昭和世代と子どもの会話のきっかけづくりにも
Kiyoにゃんにサングラスをかけて、ロックコンサートで平和のメッセージを歌わせる―。
この展開は、昭和のシニア世代にはすぐ伝わる「あの人」へのオマージュです。
しかし同時に、子どもたちにとっては「なぜ猫がロックスターに?」「どうして英語で歌っているの?」という疑問が生まれる仕掛けでもあります。
シニア世代が、自分が見ていない人気アニメのキャラの話題を孫から振られても、何も会話が続かなくて困った、って、あるあるじゃないでしょうか?
そんな昭和世代のおじいちゃんやおばあちゃんも、この人の話題なら、いっしょに絵本のように語って聞かせてあげられるはず、という、そんな理由も込めました。

“ずらし”が生む世代間の会話
私があえて今の子どもに人気のキャラを重ねなかったのは、この“ずらし”を狙ったからです。
シニアしか知らないモチーフと、子どもには理解しきれない要素をつなげることで、自然に世代を超えたコミュニケーションが生まれます。
そして、愛と平和のメッセージの意味も語って教えてあげられる、そんなゆるきゃら展開をしていきたいと思います。
情操教育としての無名のゆるキャラ
無名のゆるキャラを通じて、子どもは感受性や想像力を育み、シニア層は懐かしい要素を通して再びアートとつながる。
家族の会話をつなげる小さなきっかけにもなるのです。
Artstylicが無名キャラを育てる理由
世代を超えて共有できるキャラクター。
それがKiyoにゃんやぷかちゃんであり、Artstylicが全く儲からない、無名キャラを生み出し、そのグッズを売り出した理由なのです。
こんなものは簡単には売れないとか、売れても全く儲からないとか、そういうことは気にしない、というかなり無謀、かつお気楽な取り組みですが(笑)
皆様の応援、SNS拡散をよろしくお願いします。
artstylic 運営兼編集長(ダックWEB工房ふではち)
Kiyoにゃんの平和のメッセージは、ジョン・レノンとオノ・ヨーコのあの名曲にもオマージュを込めています。ぜひこちらの公式映像をご覧ください。