このテーマは、既に詳しく説明した多くの文献やネット記事があり、「今さら」な内容なのですが、「Artstylic」としての独自の切り口で、多面的に、かつ独自の視点から、この「今さらなテーマ」をさらに深堀していきたいと思っています。
そこで、「What’s “ART”?」という専用の特設サイトまで立ち上げましたが、その前に、ごくごく当たり前の内容を簡単にまとめてみました。
アートとは何か?
アート(art)は、人間の創造性、感情、思想を視覚、聴覚、身体的表現などを通じて表現する行為や作品を指します。アートは、自己表現、感情の共有、文化的・社会的メッセージの伝達など、多様な目的を持ちます。その中核には、人間の想像力や感受性があり、具体的には以下のような要素が含まれます。
- 創造性:新しい視点や形式を生み出す力。
- 表現性:感情、思考、テーマを作品を通じて伝える能力。
- 受け手との対話:鑑賞者が感受性を働かせて作品と対話すること。
アートの定義とその曖昧さ
アートの定義は時代や文化によって変化します。伝統的なアートは絵画や彫刻のような視覚芸術を指しましたが、現代ではパフォーマンスアート、インスタレーションアート、デジタルアートなど、表現の幅が広がっています。そのため、普遍的な定義を与えるのは難しいですが、「人間の創造性や想像力を具体化したもの」と言えます。
美術と芸術と現代アートの違い
アート(art)は、美術と芸術という2つの日本語に翻訳されることがありますが、それぞれには微妙なニュアンスの違いがあります。
ここでは、明治時代に決められた厳密な言葉の定義ではなく、現在の日本で使われている一般的な用語として説明してみます。
なお、アート初心者から「よくわからない」と言われがちな現代アートについては、ほんの少しだけ詳しく書いてみました。
美術
主に視覚芸術(絵画、彫刻、建築など)を指します。
美的な要素(美しさ、調和、均整)が重視されることが多い。
伝統的に「美の追求」という側面が強調されます。
芸術
表現の幅が広く、音楽、舞台芸術、文学、映画なども含まれます。
美的要素に限らず、社会的・思想的なメッセージや実験的な要素を含むこともあります。
個々のジャンルを超えた包括的な概念として使われる場合が多いです。
現代アート
現代アートは、20世紀後半から現在に至るまでの芸術を指し、従来の美術や芸術の枠を超えることが特徴です。
伝統的な技法や美的基準にとらわれず、社会的、政治的、または個人的なメッセージを強調することが多いです。
実験的な手法や新しいメディア(インスタレーション、パフォーマンスアート、デジタルアートなど)が広く採用されています。
また、現代アートの専門家の中には、このように言う人もいます。
現代アートは「美術」ではなく「知術」であると。(「現代アートとは何か?」の著者:古崎哲哉氏)
「現代美術」ではなく、強いていえば「現代知術」と呼ぶべきだろうか。
現代アートは、美しいものを見せて人を楽しませるための作品とは限らず、むしろ、不快にさせるようなことも含めて、以下のようなものだと言われます。
・すぐにはわからない、よくわからないもの(すぐにわかるようなものは現代アートとしての価値がない)
・考えさせるもの(見て美しいとか楽しむといった娯楽を提供するものではない)
・答えではなく、問いを求めるもの(そもそも答えはないものをテーマとしている作品が多い)
また、同じく「現代アートとは何か?」という書籍の中で、古崎氏は「インパクト・コンセプト・レイヤー」が現代アートの3大要素であると書いています。そして、優れた現代アートというものを、この3要素で表現すると以下のように説明しています。
強烈な感覚的インパクトと高度に知的なコンセプトを単数あるいは複数含み持ち、観客をコンセプトへ導くための仕掛けを重層的に備えた作品が優れた現代アートである。
また、「現代アート」は「アート」というワードがついていますが、それまでの「アート」の概念を上書きして否定するものではなく、新たに生まれた表現、クリエイティブであり、従来のアートの概念とは異なるものとして併存しているものだというのが、ARTSTYLIC的な解釈です。
コンセプチュアルアート、とか、コンテンポラリーアート、とかの英語にしても「アート」という言葉が付いているので、現代アートの初心者が皆、惑わされますが、個人的には「哲学的な問題提起や疑問を持たせること、社会的なメッセージ、共感を求める個人的想い等、を伝えるクリエイティブ作品」という、とても長い定義であるべきものを「面倒くさいから現代アートと一括りににしてしまったもの」、とでもいうべきものだと思っています。
「アート」という言葉の定義についての歴史と厳密な意味(和製英語の「アート」と英語の「art」の違い等)についてはこちらの記事をどうぞ。
「アートという言葉の定義と歴史~「アート」と「ART」は違うって知ってた?」

まとめ
アートは、伝統的な美術や芸術、そして現代アートの領域を包含する広義の概念です。美術が視覚的な表現に特化している一方で、芸術はさまざまな形式を含み、さらに、現代アートでは、より多様な手法と表現を指します。
いずれも、表現者と受け手の感受性が重要な役割を果たす点で共通しています。
このように、アートは固定的な枠組みにとらわれず、時代や文化、個々人の視点によって新たな定義が付け加えられる生きた概念といえるでしょう。
なお、日本では「アート」という言葉が、もっと広く使われる和製英語になっているため、文脈の中で、どの意味で使われているかを読み解く必要があります。
さて、いかがでしたでしょうか。
この程度では、まだまだ内容が浅すぎて殆ど参考にならないと思いますので、是非、ここから先は、こちらの特設サイト「What’s ART?」の方をご覧ください。
こちらの特設サイトでは、アート業界の専門家(評論家、キュレーター、アーティスト、コレクター等)といった、いわゆるアートのエリート層ではない「大衆(ポップ)」の視点から、「アートとは?」というテーマに切り込んでいきたいと思います。
いろいろな情報を自分で探し回るのも楽しいと思いますが、手っ取り早く全体的な俯瞰をしておきたい、という方等のために「アート初心者ガイド」となるように、幅広いテーマ(特にわかりづらい「現代アート」中心ですが)をセレクトしてご紹介しています。
