複数アートを飾っても物足りない時に

INTERIOR AND ART
配置では埋まらない「空間の世界観」の話

複数アートを飾ったのに、なぜかしっくりこない

壁に複数のアートを飾ると、空間は一気に整います。

バランスも取れている。
配置も間違っていない。
それなりに「おしゃれ」に見える。

それでも、どこか物足りない。

整っているのに軽い。
まとまっているのに、印象に残らない。

そう感じたことはないでしょうか。

配置の問題ではない可能性

均等に並べる。
グリッドで整える。
ギャラリーのように自由に配置する。

どの方法も正解です。

実際、配置を整えるだけでも、空間は見違えます。

ただ、それでも違和感が残る場合があります。

それは配置の問題ではなく、
空間の中にひとつの「世界観」が立ち上がっていないのかもしれません。

整ってはいる。
けれど、どこにも焦点がない。

整っているだけでは、記憶に残らない

複数アートをきれいに揃えるほど、空間は整います。

しかし同時に、どこか“軽さ”が出ることがあります。

整然としている。
でも、引っかかりがない。

それは、要素が正しく配置されているだけで、
まだ“意味”が生まれていない状態です。

世界観は、真似るところから始めてもいい

「自分らしい世界観を作る」と言うと、
誰にも似ていない独自性を出さなければならないように感じるかもしれません。

しかし、最初から強い個性を作ろうとしすぎる必要はありません。

まずは、好きなインテリアのスタイルを真似てみる。
たとえば、レトロモダンな空間、バウハウス的な配色、ミッドセンチュリーの家具、北欧の余白。

そうした既存のスタイルを手がかりにして、
そこに少しだけ自分なりの違いを加える。

それだけでも、空間の印象は変わります。

真似ることからしか、始まらない

芸術の世界でも、模倣から出発することは珍しくありません。

サルバドール・ダリも、
過去の巨匠や既存の様式を学び、取り入れることを否定しなかったとされています。

重要なのは、真似ることそのものではなく、
どこで自分なりのずれを加えるかです。

完全に新しいものを作ろうとするよりも、
すでにあるものをベースにして、ほんの少しだけ違う選択をする。

その積み重ねが、結果として“その人らしさ”になります。

レトロモダンを、少しだけずらす

たとえばレトロモダンな空間。

基本はそのまま真似ていい。
色も、家具も、配置も。

その中に、1点だけ時間の層が異なるものを入れる。

新しいものの中に、古い紙片をもとにしたアートをひとつ。
整った構成の中に、わずかな違和感を残す。

それだけで、空間は「誰かの真似」から、
少しだけ自分のものに変わります。

ひとつの方法としての「時間のずれ」

そのための方法はいくつもありますが、
ひとつの考え方として挙げられるのが、

時間軸をずらす

という方法です。

新しいものだけで空間を構成するのではなく、
異なる時間に属する要素を混ぜる。

それによって、単なる配置では生まれない関係が生まれます。

レトロモダンという編集

この「時間のずれ」は、
レトロモダンという考え方とも近いものです。

ただしここで重要なのは、
既存のレトロモダンスタイルを再現することではなく、

自分なりに時間の層を編集すること

です。

新しい家具や照明の中に、
少しだけ過去の要素を混ぜる。

そのバランスは人それぞれでよく、
決まった正解はありません。

一例としてのアイテム

たとえば、100年前の紙片や印刷物をもとにしたアート。

本来は残る前提ではなかったものですが、
そこには当時の色彩や図案がそのまま残っています。

こうした要素を複数アートの中に1点だけ入れると、
空間の見え方が変わることがあります。

ヴィンテージ洋酒ラベルをモチーフにした立体画アート「Pop Art Deco」

遠くから見ると馴染んでいる。
近づくと、少し違う。

その差が、空間にひとつの軸を生みます。

アートの「キュレーション」と「文脈」という考え方

ここで役に立つのが、
アートの分野で使われる「キュレーション」や「文脈」という考え方です。

キュレーションとは、単に作品を並べることではなく、
関係を設計することです。

どの作品とどの作品を並べるのか。
どの位置に置くのか。
何を見せて、何をあえて外すのか。

それによって、見え方や意味は変わります。

また「文脈」とは、
それぞれの要素がどのような背景や時間を持ち、
どうつながっているかという視点です。

複数アートを飾るという行為も、
実は小さなキュレーションです。

◎ 配置の正しさよりも、
◎ 要素同士の関係や文脈の方が、空間に影響を与える

そう考えると、見え方は少し変わります。


▶ アートのキュレーションと文脈についてはこちら

現代アートの文脈(コンテクスト)とは何か

 

あくまで「ひとつの方法」

もちろん、これはあくまで一例です。

世界観をつくる方法は他にもあります。

色で揃える。
素材で統一する。
テーマを明確にする。

その中で、
「時間をずらす」という方法も使える、という位置づけです。

カゲロウのような存在

こうした時間の要素は、
強く主張するものではありません。

むしろ、あるかないか分からない程度の存在。

一瞬だけ現れて、消えていくような気配。

カゲロウのように、
はっきりとは捉えられないもの。

だからこそ、空間の中で違和感として残ります。

「埋める」から「編集する」へ

複数アートを飾るとき、
つい壁を埋めることを目的にしがちです。

しかし、空間が変わるのは
要素を編集したときです。

何を揃えるか。
何をずらすか。
どこに違和感を残すか。

その中で、ひとつの関係が生まれる。

最後に

複数アートを飾っても物足りないと感じたとき、
それはセンスの問題ではありません。

配置でも数でもなく、
要素同士の関係の問題です。

その関係を少し変える方法として、
時間軸をずらすという考え方もあります。

モダンなインテリアをベースに時間軸をずらす文脈アイテムを加える、
同じ「レトロモダン」でも、ありふれていない独特な世界観を作ることで、

物足りなさが消える可能性があります。

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